家政婦のメイド派遣します!
ついに泣き出してしまった桃子を祐樹が抱きしめ、隣では直樹が彼女の頭をそっと何度も撫でている。

桃子はただただ泣くしかできなかった。

まさか2人にプロポーズをされるなんて……思ってもみなかった。

自分が思い描いていた夢よりもずっと素晴らしい事が起きているのだ。

抱きしめられるままにもっと身体をすりよせるとぎゅっと抱きしめ返してくれる。

夢ではないのだと実感出来た。

「で、でも…結婚しないと。」

桃子は思い出したよう身体を離しながら祐樹の顔を見上げた。

彼らは世間に広く知られる大財閥の御曹司なのだ。

ずっと結婚しないなんて許されないだろう。

「大丈夫、結婚しない男なんて最近は沢山います。」

「逆に独身の方が女社長には受けもいいぜ。」

自分に気を使ってくれているのが分かる2人の言葉に、桃子はつい笑ってしまった。
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