白の森
「今から、あなたの手に刺さったままの刺を抜いて、毒を抜くから。ちゃんとした麻酔なんてないから痛いよ。これ噛んで歯を食いしばって」

「すまないな、娘さん…あんたにばっかり、大変なことをさせている」

「たいしたことじゃない、早く静かに暮らしたいだけ」

女はスタンにタオルを厚く巻いたものを噛ませた。

患部をアルコールで消毒すると、小瓶をとると塗り薬を塗り付けた。

「局部麻酔。ないよりはましだから」
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