白の森

「ここから真っ直ぐ森に入って。道案内をさせるから、後ろは決して見ないで」

ステラは森を指差す。

「道案内？誰が」

ステラはもうすぐ来るからと言って、スタンに水と食料を渡した。

「半日でつくと思うけど念のため」

女の心が分からない。母親の慈悲深いかと思えば、子どものような残酷さを見せる。

二人はくるくる変わる女についていけなかった。

「来た」

ステラの声で二人は森をみると、あの時の白狼とその後ろから大きな角と身体を持った白い鹿がこちらに向かって来た。

「オーフェン、ありがとう。ディアス、よくきてくれたね。ありがとう」

狼の頭を撫でて大鹿の首を優しく撫でると、大鹿はステラの肩に頭を擦り付けた。

「ディアスの後ろをついて行って。少しでも振り向こうならオーフェンが襲い掛かると思って」