白の森
「お前じゃ無理だ」

女の細腕じゃ、狼をどうこう出来るわけがない。

自分の背後では、大熊のビクトールが狼達を蹴散らしていた。

「動物だって恩を忘れる。人間なんて当然よね」

ステラが右手で、剣のようなものを抜いた。

すらりとした白銀の刃、みたことのない形に魅入った。

少しだけ歪曲してあるが鋭い切っ先、鍔の形は円形で装飾が施されている。

「さよならヴォルフ…」
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