白の森
「笑いたきゃ笑えよ」

「どうして楽しくもないのに笑えるの?」

ステラはゆっくりアッシュに近づくと手を取った。

「帰ろう」

だがアッシュはその手を振り払った。

ステラに剣突き付ける。

「その太刀筋、素人のものじゃないな。その武器は何だ?」

「おばぁちゃんから貰ったの。日本刀って言うんだって。東にある国で作られたんだって」

「東だと。お前、」

「魔女って話は聞き飽きた。早く帰ろう、血が出過ぎたら本当に死んじゃう」

「オレが野垂れ死のうが関係ないだろ」

「約束したの。あの熊みたいな人に」

熊みたいな人と言われて戸惑ったが、身体の大きいスタンのことだと直ぐに分かった。

「スタンさんと?」

「あなたは無茶をするから見てろって。貴方が無事であるなら私達に危害を加えないって」
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