白の森
城に戻る頃には夜になっていた。

ステラは、手早く傷の手当てをしていく。

「悪い」

「おばあちゃんが言ってた。魔女は、薬草や出産とかの知識がある人のことを言ってたって。女が男より知識があるのが嫌われるから、魔女って呼ばれて迫害されたって」

「そうか。お前の祖母さんも、そう言う人だったんだな」

「うんん。おばあちゃんは私と一緒」

生まれ付き、白い髪と赤い目の持ち主だったとステラは話し続ける。

それからは無言でアッシュの傷を癒して行く。

「これで良い。余り動かさないでね」

ステラは傷を拭いたタオルや桶を持ち、足早に立ち去ろうてした。

「待て、お前も怪我してる」

アッシュがステラの腕を掴んだ。ステラの肩は血が滲んでいた。
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