白の森
ティアが熱を出して4日目、

この子が死んだらと思うといてもたってもいられなかった。

窓を叩く音で外を見ると、そばの楠の木の枝に1羽の白い大鷲が止まっていた。

よく見ると口には熱さましになる薬草を銜えていた。

私がそれに気付くと、大鷲は窓枠にそれを置いて飛んで行ってしまった。

どうしてあの大鷲が私がこれを必要としていたのを知っていたのだろうか?

この薬草はこの季節には自生していないものなのに、一体どこから。

とにかくあの大鷲のおかげでティアは熱が下がった。
< 64 / 130 >

この作品をシェア

pagetop