白の森
ボロボロと流れてくる涙は驚く程綺麗だった。

アッシュは思わずティアを抱きしめた。

「一人で大変だったな。よく頑張ったな。ばあさんもティアを見守ってるよ」

「わたし…どうして」

名前を忘れてしまったのだろうと歎いた。

忘れたと淡々てしていた言っていても、本当は怖かったのだろう。

自分が何者なのかと。

ティアの身体の細い身体は温かく、彼女も人間なんだと思い知らされた。
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