白の森
ティアはお茶と今朝の残りのパンを温め、野いちごと杏の二種類のジャムを草の上にクロスを引いて、並べた。

「はい、どうぞ」

出された紅茶を飲むと、良い香に疲れが抜けた思いがした。

「旨いよ」

ティアはありがとうと笑顔を見せてくれた。

ティアは名前だけではなく、誰かと食べる食事の楽しさなどのことも忘れていて、初めて一緒に食事をした時、

「誰かと食べるって美味しいね」

と心の底から感動していた。

「ごめんね。レイディアントはまだこどもだから」

「大丈夫だよ。今日は天気が良いから早く乾く」

本当に良い天気だ。

眠気も誘ってくる。

「眠いの?」

ティアはすぐに人の気持ちを敏感に察してくれる。

「少し」

そう言うとティアに腕を引かれ彼女の方に倒れ込んでしまった。
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