白の森
生きるための術を知ってるティアと

生かされてるだけの自分の存在を実感した。

ティアと自分は決定的に違うんだと思った。

「ここにいたの?」

ティアが外に出てきた。

「終わったのか?」

「うん。今日はごちそうだよ。夕飯は外で食べよ」

みんなで。

ティアは嬉しそうに笑っていた。

「そうだな」

そう返すとティアはもっと嬉しい顔をした。

最初に会った時は笑顔すら見せなかった彼女の表情がくるくると変わっていく。
例えるなら空だ。泣いたり笑ったり凪いだり。

本人は気付いていないが、こちらを翻弄する。

「レイディアントはアッシュが好きなのね」

アッシュの傍から離れないレイディアントを見て目を細める。

優しい顔。

「可愛いな」

思わず口に出した言葉を、アッシュは慌ててなかったことにしようと思ったが

「そうね。レイディアントは可愛いね」
< 84 / 130 >

この作品をシェア

pagetop