白の森
自分の言ったことをレイディアントのことだと解釈したのかティアは笑ってレイディアントを見ていた。



「洗濯物、取り込まないと」

しばらく二人でのんびり動物たちを眺めていると、日が沈み始めた。

ティアは慌てて立ち上がり、裏に走っていった。

「オレも手伝う」

ティアと洗濯物を取り込んでいると、その一つに目を奪われた。

自分が着ていた、軍服だった。

ここに来ていた経緯を思い出した。


オレはティアにここに閉じ込められた。

オレは人質だ。



その事実はアッシュに自分の目的、自分の願い、全てを思い出した。

こんな所で、何を平和な日々を満喫していたのだろうか。

「アッシュ？」

足を止めたままのアッシュにティアが声をかけた。

「あぁ」

「どうしたの？」

「何でもない」

今、ティアの顔は見れなかった。

多分、夕日に照らされて、ティアの髪は綺麗な緋色に染まっているはずなのに、

今、彼女の姿を見たくなかった。
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