白の森
日が昇る前にティアは起き出す。

秋の朝は少し寒い。

服に着替えて、肩に羊の毛を編んで作ったケープを来て外に出た。

まずは、動物たちに食事をやることから始まる。

「おはよう、マーニャ、レイディアント」

動物たちももう起きている。

馬の身体に触れると温かさが伝わってくる。

食事をしている間に、小屋の中を掃除して、新しい藁を敷き詰める。

牛のメーベルの乳を搾って、キッチンに置いてから、畑に向かう。

野菜を収穫して、食事を作る。

今日は野菜のスープとパン。そして暖めたミルク。

ただ、以前と違うのは二人分ということ。

祖母以来の人で、食事を誰かとするのは楽しいと思い出させてくれた。

けれど、彼は今、顔すら見せてくれない。

日がな一日、地下室の鏡をみて過ごしている。

こんなことなら、最初から一人で食事をしていれば良かった。

名前を呼ばれる嬉しさなんて知らなければ良かった。

最初から名前なんて呼ばないで欲しかった。


二人は自分の辛さをお互いの所為にして耐えていた。
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