テレビの中の、人。
ようこそ、komachiへ
アハハハ!!ー
金沢に最近できた、『ルミネtheよしもと』
ここは、駆け出しの若手芸人が集まる場所。
今日も、笑い声が響いてる。
竪町通りにあるから、ショッピングとか兼ねて、
気軽に寄れる感じがいい。
「あ~、今日もなかなかよかったね」
「最近、腕あげてきたね、あの3人組」
「あたしは、サックンが好き」
「え~、サトシ?あたしは、・・・タイチ、かな?」
「タイチャンね」
最近、ルミネに来てる3人組のお笑いユニット
『ビタミンK』
何故か、昔から、お笑い好きの私ー
「りえとはほんと、好みが違うね」
同じ店の友達、ミズキが言う。
「あたしは、可愛い派?ミズキは、・・・ワイルド派?」
そんな話をしながら、店に向かった。
「ヤバイ!遅刻するよ!りえ、今日同伴じゃなかったっけ?」
「あ~!、忘れてた!」
「ミズキ、先行ってて」
そういうと私は、同伴相手と待ち合わせ場所の、スクランブル交差点角にある、
ミスドの前に行った。
身なりも、化粧の仕方も、もうすっかり
『水商売』が板についてた。
行き交うOLとは違う、派手さが、きっと傍目から見ても
すぐその道の女とわかっただろう。
しばらくして、常連客のアラキさんが来た。
いつも同伴してくれるありがたい客。
「りえちゃん、お待たせ~。」
「はい、これ。」
そういって、毎度の如く、『パーラメント』を1カートンくれた。
「ありがとね~♪」
そう言って、食事をし、店に向かった。
片町にある、『社交会館』
そのビルの5階にある、『komachi』
指名制のパブ。もう勤めて1年になる。
「いらっしゃいませ~」
店に入ると、ボーイが言った。20人ほどいる「女の子」たちも、
同じように、言った。
「アラキさん、いらっしゃ~い!待ってたよ♪」
ミズキが、同じテーブルに座った。
あたしと、アラキと、ミズキ。
これもまた、いつもの風景。
「アラキさんは、りえにゾッコンだね!」
「そうだよ~。アハハ。」
(りえ、いい客つかまえたね!)
ミズキが耳打ちして、二人でこっそり笑った。
夜の10時をまわり、店内は、いつもより静かだった。
「今日は、ひまね。平日だからかな?」
ミズキが言った。
その時、
「いらっしゃいませ~」、ボーイが言った。
「あ!」
ミズキと、顔を見合わせた。
「ビタミンK!!」