テレビの中の、人。
5
サックンと一緒に・・・、
とても狭い、ソファーに、
二人で寝た。
当然、
体はピタッとくっつくくらいの幅しかない。
薄い毛布を掛けた。
ベッドから、ほんとにヒソヒソ声が聞こえてくる。
ミズキも、まんざらじゃない様子。
キャハハハ!!
もう~、やめてよ~♪
意味深な、笑い声も聞こえてきて、
なんだか、赤面しちゃう。
「何話してんだろうね?」
「さあね。・・・また、口説いてんじゃない?」
「・・・また?」
「あ、いや、なんでもないよ。」
「あ、りえちゃんてさ・・・、何歳?」
「プッ!」
取り繕った質問が、バレバレで
可愛かった。
「23だよ。もうババア。」
「そんなことないよ、・・・じゃあ、俺の2コ下だ。」
「へぇ~。近いね、じゃあ。」
そんなことを、話しながら・・・、
ミズキとタイチの、イチャイチャの声を聞きながら、
もう、だいぶ眠気が限界に来た。
あの二人は、
もう寝たみたい。
さすがに「H」はしなかったけどね。
「ねむぅい。」
あたしが言うと・・・、
「寝る?」
「うん。」
すぐそばに、サックンの顔がある不思議さ・・・。
「サックン・・・。あたし、ずっとサックンのファンでいていい?」
「あぁ、もちろん、ありがとね。」
「金沢来た時は、また会ってくれる?」
あたしは、思いきって、
けっこう際どい質問をしてみた。
「・・・そうだな・・・、」
「はっきり、約束はできないけど、・・・まあ、都合が合えばね。」
「うん、・・・わかった。」
やっぱり、すんなりは行かないな・・・。
住む世界が、違う人。
そう思った。
「じゃあ、・・・。」
あたしは思いきって、
「これ。」
名刺に、アドレスを書いて渡した。
「あたしはサックンが好きだから、・・・だから、待ってるね。」