テレビの中の、人。
金沢の女
「・・・じゃあ、一応、もらっとくね。」
「うん!」
それから、
サックンと一緒に寝た。
もちろん、何もなく・・・。
昼過ぎまで寝て、
慌てて二人は帰った。
リョウからの電話で起こされて、
もう、東京に帰ると・・・。
ミズキとあたしは、
二人の帰った部屋に、ポツンと取り残された。
「イヒヒヒヒ♪」
ミズキは、目が合うと、めちゃくちゃ嬉しそうに笑った。
「なあに?知ってるよ!イチャイチャイチャイチャ、聞こえたし。」
あたしが言った。
「チューしちゃった♪」
!!!ー
「マジで?!」
「うん。」
「俺ら、付き合おう、って!」
「マジか!!」
「りえは?」
「・・・何にもないよ。」
「アドレス渡しただけ・・・。」
「マジで?」
「まあ、サックンて、女に興味なさそうだしね。」
確かに・・・、
舞台の上では、イキイキしてて、
下ネタもやんない。
あの時と、プライベートじゃ全然違う。
少なくとも、女好きではないことは確か。
だけどあたしは、そんなサックンも含め全部好き。
今回、ここまで近づけたことで、
もっと、もっと好きになった。
「ミズキ、よかったね!信じられないことじゃん!タイチと付き合うなんて!」
「ほんとだよ!めちゃくちゃ嬉しい!」
こうしてあたしたちは、
一夜にして、グッと二人に近づいた。
だけど、
相手が芸人だと言う、
ちょっと変わった恋愛・・・。