テレビの中の、人。
3
「Komachiで~す。よろしくお願いしま~す。」
行き交う人に名刺を配った。
平日は、人が少ない。
反応も、イマイチ悪い。
「マァミ~、だるいね。」
「そうですねぇ。」
マミは、先輩のあたしに敬語を使う。
30分くらい、
ダラダラと名刺を配ってた。
「キャハハハ!!」
飽きてきて、
半分遊びながら。
ープルルルルルー
あたしの、胸に挟んである携帯が鳴った。
「誰だろ?」
・・・、見覚えない番号。
「・・・、ハイ、もしもし。」
「・・・あ、もしもし」
「・・・はい?」
「りえちゃん?・・・」
!!!ー
「もしかして・・・!」
その声に、聞き覚えがあった。
「サックン?!」
マミが、チラッとこっちを見た。
「そうだよ、分かる?久しぶりだね。」
「サックン!!」
めちゃめちゃ嬉しかった。
「サックン!どうしたの?!嬉しい!!」
あたしは、声を弾ませた。
「あぁ、たまには電話しようかなって・・・。」
「せっかくアドレスも教えてもらったし。」
「今東京?」
「うん、そうだよ。打ち合わせの空き時間。」
「そっかあ!・・・あぁ、嬉しい!」
「え?そんなに?・・・」
「うん!ずっと待ってた!・・・」
そんな風にして、
しばらく喋った。