テレビの中の、人。

5


次の日、

あたしとミズキと、ユージと、

ユージの連れの、「タケル」で、海に来た。



「何で海なん?まだ10時じゃん。」

ミズキにこっそり言う。

お水に10時は早い。

「しかも海水浴って・・・。はあ・・・。」


「ごめんごめん、これも客との付き合い。」



「ミズキ~!こっち来いよ!」


ユージは楽しそう。

「昨日あんなに飲んでたのに、・・・若いって素晴らしいわ。」


あたしは、まだ眠い。アクビをした。



内灘海岸は、

日本で唯一、砂浜を車で走れる海岸。

平日だから、あまり人はいなかった。



あたしもだんだん、目が覚めていき、

正午になるころには、すっかり楽しんでた。


小さなビニールボートで、

プカプカ浮かびながら、


「タケル、あんたまた仕事やめたんだって?」

まだ二十歳のタケルに言った。

フラフラしてるどうしようもないやつ。


「だって親方厳しすぎだしさ。」


パブに出入りしてるのは、

こうゆう子が多い。


「お前、それくらいで仕事やめてんじゃねーよ。」

ユージが諭す。



「ねえ、お腹空かない?ご飯食べ行こうよ。」

「さんせーい♪」


ミズキの一言に、

4 人で海から上がった。



ちょうど雲行きが怪しくなり、

風が湿ってきた。



浜茶屋に入ると、

雷がなり始め、強い通り雨が降った。



「寒っ。」

浜茶屋の扇風機が、直に当たる。

そこでご飯を食べながら、

しばらく喋ってた。




寝てない疲れと、肌寒さで、

夕方頃には解散した。


「今夜も仕事だし、ちょっと寝るわ。」

「疲れちゃった?珍しいじゃん。」


そう、なんだかいつもより疲れる感じ。



「ごめんね、また後で。店でね!」

そう言うと、ミズキとバイバイした。
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