テレビの中の、人。
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「・・・・なんで?・・・・サックンが?・・・」
「気がついた?よかった・・・。」
「店で、倒れたんだよ。」
「・・・・・・。」
思い出す。
!!!ー
「はっ!」
「サックン大丈夫?!」
起き上がろうとする私を、
「大丈夫、寝てて。」
優しく、肩を掴んで、寝かせた。
「こんなに熱があるのに・・・。なんで店出たん?」
「だって、サックンくるから・・・。」
「ルミネだって・・・、無理して来なくても・・・。」
「だって、サックン見たいから・・・。」
しばらく、あたしをじっと見た。
「なんであたし、ここに?・・・。なんでサックンが?・・・。」
「倒れてすぐ、抱えてタクシーに乗った。」
「救急車とか、何とか・・・、みんな言ってたけど。」
「俺が、・・・連れて帰るって、・・・。半分無理やり連れて来た。」
「ごめんな。」
「ううん!嬉しい!・・・そっちのが、嬉しい!・・・。」
「後で、ミズキちゃんに電話してあげて。すごく心配してた。」
「それと・・・、あのオヤジ、りえちゃんが倒れてから、我に帰ったみたいで、みんな
にひたすら謝ってた。・・・りえちゃんにも、悪いって、言っといてくれって。」
「そう・・・。」
「サックンのお陰だね、全部・・・。」
「・・・なんであの時、助けてくれたの?」
「分からない・・・。けど、咄嗟に、ああしてた。」
「りえちゃんが触られてるの見たら、無性に、腹が立った。」
「いつも、ああやって、触られたりするの?」
「あぁ、たまにね。」
「仕事柄、仕方ないよ。・・・あんなに酷いのは初めてだけど。」
サックンは、
じっとあたしを見た。
ちょっと、悲しい顔で・・・。