テレビの中の、人。
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「ミズキ!」
家に帰ると、急いでミズキに報告した。
「そっか!・・・でも、なんでタイチからは、何の連絡もないんだろ?」
「きっと、忙しくてかけてこれないんだよ。」
「そっか。」
「ん?」
ミズキの異変に、気づく。
顔色が悪く、辛そう。
「ごめん、りえ。トイレ借りたよ。」
「吐いたの?」
「・・・うん。」
「こんなに辛いの初めて。もう何日も・・・。」
「明日、病院行こう。」
「分かった。」
そうゆうと、翌日、
ミズキと二人で病院に行った。
「怖い。変な病気だったら、どうしよう・・・!」
「大丈夫だよ!」
「次の方どうぞ~。」
「行こ!」
「・・・妊娠ですね。」
「え!?」
!!!ー
「もうすぐ3ヶ月目にはいりますね。」
「・・・・・・・!!!」
「うそ!!・・・・」
その反応に、医者は
怪訝そうな顔をして、
「ま、どうするかは、相手の方と相談して下さい。」
あたしは、ムッとしたけど、
どうすることも出来なかった。
待合室に戻ると、
「ミズキ・・・・・。」
うつ向いて、泣きそうなミズキの肩を、
そっと、抱くしか出来なかった。
「どうしよう・・・!あたし。」
「タイチに言おう!分かってくれるよ!」
「だって、こんな時だよ!」
「こんな・・・!・・・、こんな売れちゃって、・・・大事な時に!・・・」
「もう、なんか・・・、遠い存在の人なのに!・・・」
その言葉は、
あたしの胸にも、響いた。