テレビの中の、人。
6
「久しぶり!・・・会いたかったよ!」
「元気にしてた?!」
「・・・うん。」
「元気ないじゃん?どしたの?」
「そんなことないよ!・・・嬉しいよ。」
なんだか、
以前のようには、喜べない。
昨日の、ミズキのこともあるし、
なんだか、変わってしまったサックンに対しても、
手放しで、素直になれない。
少し、
他愛もない会話をした。
私だけが、何だかギクシャクした感じだった。
サックンを見てると、
今の、ビタミンKの状態で、
すごく充実してるのが、伝わってきた。
とても、楽しそうに話す。
そのうち・・・、
「りえちゃん・・・、ほんとに会いたかった・・・。」
顔を近づけて、
キスをしようとするのが、分かる。
「りえ・・・。」
体を抱いてきた。
脳裏に、
ミズキが過る。
泣いて泣いて、泣き崩れてた、ミズキが・・・。
「サックン!・・・」
体を、離した。
「どうしたの?・・・」
「ミズキが!・・・・ミズキが!」
「・・・ミズキちゃんが、どうしたの?」
「ミズキが!・・・・・、子供!・・・・」
「子供?・・・」
「ミズキのお腹に・・・!赤ちゃ・・・」
パシャ!パシャ!パシャ!
「何?!」
その時、
無数のフラッシュの光りと共に、
カメラの、シャッターをきる音がした。
「ヤベ!!」
サックンが言った。