テレビの中の、人。
9
「知ってたんですか?!」
「うん・・・。」
「りえさん!ごめんなさい!ごめんなさい!・・・」
「・・・いいんだよ、マミ。」
「え?!」
「これで、やっと吹っ切れた。」
「マミのおかげ・・・。」
「りえさん・・・。」
「あの芸能記者が来なかったら、・・・」
「サックンの本音が、聞けなかったからね。」
「りえ・・・・。」
「きっと、もっと・・・、ズルズル行ってて、苦しんでた。」
「現実に、気づけずに・・・、ずっと。」
「とっくに・・・・・、住む世界が違ってたんだよ、あたしたち。」
「りえさん・・・!」
「りえ・・・!」
3人で、
泣き笑いした・・・。
なんだか、
絡まって、もつれてた糸が、
紐解けたような・・・、
そんな、安堵感があった。
不思議と、気分は、晴々してた。
やっと、少しずつ、
笑い声が出始めた、病室に、
「プルルルルルルル・・・」
携帯電話が、鳴った。
「あれ?誰だろう・・・。」
ミズキの電話だった。
「・・・・・・・!!!」
「誰?」
「・・・・・タイチ!!」
「え?!」
「なんで?!・・・タイチから!」
「・・・・出なよ!ミズキ!」
ミズキはじっと、あたしの顔を見て、
ためらいながらも、出た。
「・・・もしもし?・・・」