テレビの中の、人。
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前回来た時よりも、かなりリラックスしてる様子の3人。
お酒も入って、テンションも上がってる。
その中でも、タイチは一際調子づいてる。
私は当然、目当てのサトシの横に座ってた。
「サックンて、ほんと大人しいですね。」
「あはは、・・・そう?」
劇場の時より、数段無口。
「ルミネの時は、もっと喋るのに。」
するとタイチが、
「当たり前じゃん!仕事だもん、な!サトシ」
まあ、それもそう。
「サトシは苦手なんだよな、こうゆうとこ。」
へぇ~、そうなんだ・・・。
普段、劇場でしか接することのできない相手の、
色んな面が分かっていく・・・。
なんか、嬉しさと、「優越感」みたいなものを感じた。
タイチは酔っ払うと、タチが悪い。
それも新たに分かった、一面。横にいるミズキに触りまくる。
「あぁ、もう!タイち~ん!」
でも、ミズキもまんざらでもない。
むしろファンだから、嬉しそう。
だけど、さすが、リーダーのリョウは、
こうゆう時でも、しっかりしてる。
「タイチ!お前、ハメ外しすぎだぞ!」
「朝一、仕事なんだぞ!」
「え~!、じゃあ今夜、東京帰っちゃうんですか?」
「じゃあ、ミズキちゃんち泊まろう~♪」
へべれけのタイチが言う。
「だって、東京帰んなきゃでしょ?」
ミズキが言った。
「まあ、泊まるかどうかは、決めてないけど・・・。」
「朝に向こうに着いてれば、まあ、どっちでも。」
その時、
「お時間です、延長しますか?」
ボーイが来た。
「早っ。」
思わず言った。
「帰っちゃうん?」
「どうしようかな・・・。」
「・・・とりあえず、今日は帰るわ。やっぱり今夜中にあっち行っとかないと。」
あたしはサックンの方を見た。
「サックン・・・、寂しいな。」
「あぁ、・・・ごめんね。」
近づけた喜びから、一気に現実に戻った。
酔っ払いのタイチを抱え、リョウが、
「ありがとうね、またルミネも来てね。」
そういうと、komachiのドアを出て行った。