ヒキコモリンコ

こんな感じで始まった付添人としての俺の生活。

お袋が言ったように、確かに家の外へは出ることになる。

だけど、俺の視野は外へは向かない。

俺の心は内側を向いたままでいたんだ。


病院へはバイクで通った。大学に入る前に免許を取っていたのがここで役に立ったと、やたら喜んだお袋。

じいちゃんの具合が良くない日にはそのまま病院に泊まり、じいちゃんの身の回りの世話をした。


端から見れば俺はよく世話をする良い孫なのだろうか。
けれど俺はネットサーフィンで時間を潰す代わりにここに居るだけだ。

行動範囲がコンビニから病院に代わっただけ。

ただ、それだけ。
< 26 / 86 >

この作品をシェア

pagetop