ヒキコモリンコ

のそのそとベッドを下りて扉をゆっくり開く。

足元に置かれたトレーには白米と焼き魚、ほうれん草の和え物が乗っている。
白米からたつ湯気が、なんだか虚しい。


元々は俺だって家族と食卓を囲んでいた。
俺が、一年足らずで大学を辞めるまでは。

しがないサラリーマンの父、自宅の一部を使って学習塾を開いてる母、高校生の妹。

その中で俺は今、単なる居候のような状態。
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