ヒキコモリンコ

直美さんは計5つの弁当を持っていた。


「これ、先輩ナースたちの分なんです。私、まだ新米だから。」


そうしてテヘヘと照れたように笑ってみせた。


女性と二人で並んで歩くのなんて何年ぶりだろうか。

俺は直美さんの顔は見ず、足元ばかりを見つめていた。


「良かったらお昼一緒に食べません?お互いお弁当ですけど。」


一緒に昼飯……

家族とすら一緒に食わないのに?

だけど断る理由が見つからない。
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