ヒキコモリンコ
病室に戻り、じいちゃんがテレビを観ているそばで雑誌を開く。
時代劇をただぼんやり観ているじいちゃん。
「周作。」
「あ?」
不意にじいちゃんが口を開いた。
便所か?
そう思い俺は漫画雑誌を閉じる。
「お前、ガキの頃の夢覚えてるか?」
何を言い出すかと思えば、夢だって?しかもガキの頃の。
「なんだよ、急に。」
「お前は宇宙飛行士になりたいって言ってたぞ。」
そうだ。
ガキの頃は、そういう格好良いものに憧れた。