ヒキコモリンコ
俺は考えていた。
俺は、このままではいけないと。
いつまでも親のスネをかじって居られない。
だけど展望がない。
俺の未来が道だとするなら、今の俺は前も後ろさえも見えない夜道にいる。
月の光さえ、俺を照らしてはくれない。
ぐるぐると考えが同道巡りを起こしている間に、じいちゃんは眠ってしまったようだ。
今日はあまり体調が良くなさそうだ。
すると、扉をノックする音と、軽やかな声が響いた。
「小森さん、失礼しますね。」
直美さんが、検温にやってきた。