ヒキコモリンコ

「ごめんって、何が?」

「小森さんのこと。」


直美さんはじいちゃんのことを気にしてくれていたのだ。他にもたくさんの患者が居るというのに。

俺は、直美さんの心の深さを思った。


「直美さん、謝らないでよ。じいちゃんは、不幸じゃないよ。」


パッと顔を上げる直美さん。


「じいちゃんも、俺も、直美さんが大好きだったんだから。」


直美さんは涙を浮かべながらも、うん、と笑った。

直美さんは、あったかい。
なあ、じいちゃん。
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