すべては君を救うため

「オギャッ…」

「あぁぁ!カイン泣くな!」

「オギャアァァァ!!!!」

「泣くなってばー…」


真っ暗な深夜に、愛息子カインの夜泣き。

これが予想を遥かに越えて辛い。

寝たい。超寝不足。


「フギャッ…オギャア…」

「フフッ♪」


だけど許せてしまう。


ひとしきり泣いた後の顔とか

笑ってくれた時の顔とか

カインは凄くかわいいから。


って私、親馬鹿か!


毎日のように、旦那が経営してる宿屋には大勢の人が訪れる。

同じ王国に住む人たちだって、温泉目当てでよく来てくれるお客さん。


今日も武器屋のマイトさんが来てくれて、少しの間だけカインの面倒を見てくれた。


この王国の、そういう優しさが私は好き。

この王国のこの宿屋にお嫁に来れて、本当によかった!


「ホギャァァァ!!!!」

「あーもう泣くなぁぁぁ!!」

そんな事言ってもカインには伝わらないんだけどね。


夜泣き辛いなぁ、本当に。

「フギャギャッ」

泣き方可愛くないなぁ、本当に。


「~♪」

静かに子守唄を歌うと、カインは大人しくなってスヤスヤと眠りについた。


よし、これで私も眠れるぞ☆

おやすみなさ「オギャァァ」


…いじめですか?



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