すべては君を救うため
まさか…そんな事が起きているだなんて。
シュルツトの森の事、国王様は知っているのかしら…?
「お夕食出来ましたよー!」
「「ありがとうございます!!」」
各部屋を回って夕食が出来た事を伝えていく。
お客様たちは皆顔を輝かせて部屋から出てくる。
この顔を見ると、宿屋に嫁いでよかったって思える!!
「オギャァー!!オギャァー!!」
「お、元気に泣いてるなぁ!」
「女将さん、子供も腹減ってるらしいっすよ」
「そうみたいですねぇ…すみませんね、うちの子うるさくって」
「ははは、元気でいいじゃないっすか」
「元気すぎるくらいですよー」
私はそう言ってカインの元へ。
「オギャァァァー!!!!」
おむつはパンパンに膨れ上がっていて、お腹もペコペコで…そりゃあこんだけ泣きたくもなるわ。
「はーいカインくんごめんねー今おむつ替えてご飯食べようねー」
「うー!」
“ご飯”っていうワードを聞いた瞬間、カインの機嫌がよくなった!
単純だな!!
おむつを替えると、カインはバタバタと手足を動かしてご飯をねだる。
今準備するってば!!
あ、そろそろミルクじゃなくて離乳食にしようかなぁ…。
とりあえずミルクを作って哺乳瓶に入れてカインにあげると、カインはほわぁ…とあったかい笑顔になって美味しそうにミルクを飲んだ。
お腹がいっぱいになると、カインはうとうと。
頼むー!そのまま寝てくれー!!
「すぅ…」
かわいらしい寝息が聞こえてきて、カインは心地よさそうに眠りについた。
よし、私もご飯食べて、お客様用の食器を洗って…ダンがお布団の準備をし終わった部屋から次々にお茶を運んで…。
うはー…忙しい!!!!
「あ、キャス。カインはちゃんと寝たか?」
「えぇ。今日はいつになくいい子だったわ」
「それはよかった!…じゃあ食器洗いよろしくな♪」
「う…」
宿屋ってやっぱり大変…!!!!