恋飴
ふと、後ろから声をかけられた。
振り返ると、可愛いお人形のような女の子が立っている。
大きな目に二重。
肌が白くて、とても美人。
長いくるくるのカールがかかった髪がよく似合っていた。
「おっ…おはよう…ございます?」
ついつい見とれてしまい、挨拶が疑問形になってしまった。
なっ…なにやってんの、
私!!!!!!
第一印象最悪じゃん…。
私は今日、二度も最悪な印象を与えている。
そう…まぬけ顔だ。
「クスッ。」
一人であたふたしていると、彼女は可愛く笑った。
「へ?」
まぬけ顔でまぬけな声を出してしまう。
「あっ…ごめんね。そんな悪い意味で笑ったわけじゃないの。」
ペコリと頭を下げる彼女。
全ての仕草が可愛い。
…私には絶対出来なよね。
「私、野原美羽。
あなたの名前は?」
上目遣いで尋ねる。
絶対男子にモテるな。
そう感心して、つい頷いてしまった。
「え?」
不思議そうにしている野原さんの顔。
「あっ…いえ、気にしないでください。えーと、双葉亜衣架です。よろしく。」
たどたどしい挨拶だった。
でも、野原さんは満面の笑みを浮かべ手を私の握った。
「よろしくね。亜衣架ちゃん、私のことは美羽って呼んで。」
「…美羽ちゃん?」
「そう!!」
これが私と美羽ちゃんの出会いだった。