探偵事務所は休業中
そんなわけで、探偵界に片足をつっこんでいる羽兎の耳にも、若干ながら彼の噂は耳にしていた。
自分と年齢が少ししか違わないのに、既に数々の事件を解決している。
そんな彼は、羽兎の憧れの的でもあった。
その張本人が目の前にいる。
羽兎は興奮せずにいられなかった。
「あの~、聞いてます?」
霞が羽兎に近付き、目の前で手を振る。
羽兎は意気揚々に返事をした。
「はい!全然問題ありません!!」
「さっきまでの泣き顔はどこへ行ったんスか……」
霞は小さくため息をつくと、席へ戻っていった。