探偵事務所は休業中
「……いいんですか?」
「いいッスよ。別に困りはしないんで」
「あ、ありがとうございます!!」
羽兎は勢いよく頭を下げる。
それを横目で見ていた霞はフッと笑った。
思わず顔を上げた羽兎も笑顔になる。
そして、彼女は何かを思い出したかのように手を叩き、霞に尋ねた。
「そう言えば霞さん、助手がいなくなって困ってたって言ってましたよね?」
「言いましたよ」
「何でいなくなっちゃったんですか?」
羽兎の問いに、彼はポッキーをくわえたまま遠い目をしながら答えた。
「……喧嘩したんスよ」