探偵事務所は休業中
*
「――で、何かすることはないんですかっ!?」
彼女は喧嘩内容を霞に話した。
誰とは言っていない。
別に言う必要もないだろう。
一段落ついたところで、羽兎が若干興奮気味に尋ねる。
人気がある探偵だ。
さぞかし依頼もたんまり溜まっているのだろう。
「そうッスねぇ……確か依頼が一つ来てた気が……」
霞はイチゴ味のポッキーを口にくわえたまま、デスクに置いてある書類をガサゴソと漁った。
期待に胸を膨らませながら、羽兎はソワソワと待つ。
しばらくして。