探偵事務所は休業中
「……あった」
霞が取り出したのは一枚の紙切れ。
そこには大きく黒い猫の写真が貼ってあった。
「これッス。家出した猫の依頼」
「え……?」
何かスゴいものが来ると思っていた羽兎は拍子抜けしてしまった。
そんな彼女を見た霞は、羽兎にポッキーを向けながら説明する。
「いつもはこんな感じッスよ。
まぁ、警察の依頼も結構来るッスけど……
今はパトロール強化月間らしくて、ほとんど犯罪は起きてないらしいッス」
「そうなんですか……これじゃあ普段私達がしてることと変わらないな」