探偵事務所は休業中

彼は首を横に振ると、羽兎から紙を受け取った。

「霞さん、紘哉さんと何かあったんですか?」

「なんもないッスよ」

「じゃあ何で――」

「取り敢えず、今は依頼をさっさと終わらせましょう。報酬も欲しいし」

「でも……うがっ!!」

突然ポッキーを口に突っ込まれ、羽兎は呻く。

「問答無用。今は依頼の事だけを考えて下さい」

「うぅ……ぶへっ!!」

羽兎は口に入っているポッキーを不満そうにサクサク食べた。

そして口の中のポッキーが無くなると、霞は新たにポッキーを突っ込んでくる。

まるでわんこそばの様に。

最早羽兎には反論する余地も、喋る余地もない。

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