探偵事務所は休業中

霞は羽兎の口にポッキーを入れながら小さくため息をついた。

「ここ最近、野良猫や飼い猫がいなくなる事件が多発してるんスよ。
その事で保健所からも依頼が来てるッス」

「ほ、ほへんひょ?」

「そうッス。何でも、毎朝猫の死体が保健所の玄関に置いてあるらしいッス。
中には首輪のついた飼い猫もいたそうッスよ。
そっちの事件解決も手伝ってほしいッス」

あ、それともこっちの方が……
霞はそれだけを呟いて手を止める。
ついでに羽兎の動きも止まった。

霞は薄く笑うと、羽兎に向かって親指をつき出した。
グッドのポーズ。

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