探偵事務所は休業中
霞は机の引き出しを開け、新しいポッキーの箱を出した。
もちろんイチゴ味。
それを見た羽兎の目が大きくなる。
「……なんスか?」
「いや、買い置きスゴいなーって」
「当たり前ッスよ。頭使うんだから」
「はぁ……」
ふと、羽兎の頭を一人の人物が過った。
確か、その人もチョコレートを机の中に忍ばせていたはず。
喧嘩相手を思い出し、羽兎は首をブンブン振った。
途端に霞が怪訝そうな顔をする。
「大丈夫ッスか?」
「あ、はい!大丈夫です!」
「ホントッスか?」
「ホントです!だから、続きをお願いします!」
羽兎に促され、彼は机の中からこの街の地図を取り出した。
それを広げ、机をトントンと叩く。