探偵事務所は休業中
15歳くらいの少年。
黒く、丸い頭に白い顔。
左頬には、何やら泣いたようなドクロのシールが貼ってある。
白黒ボーダーを着ているが、どこか小柄に感じる。
そして、手にはナイフ。
羽兎は一瞬にして悟った。
「もしかして……アナタが保健所事件の犯人?」
「僕の質問に答えて。君は誰?」
会話が噛み合わない。
キャッチボールじゃなくてドッジボールだ。
このままじゃいけないと思い、彼女は話を合わせることにした。
「私は猫を助けに来たの!そう言うアナタはなんなのさ?」
「僕?僕はただストレスを発散しに来ただけだよ」
少年の持つナイフがキラリと光る。
羽兎は震え上がり、クロを潰しそうなくらい抱き締めた。
彼女の腕の中でクロが苦しそうに鳴く。