探偵事務所は休業中
「おなかすいたー」
焔美の後ろに隠れながら、拓美が言う。
霞は追い掛けるのを止め、壁に掛かっている時計を見る。
時刻は正午を過ぎたところだった。
「そうッスね。そろそろお昼にしますか」
「わーい!」
端に寄せたデスクを元に戻し、拓実を抱き上げる。
そして、ソファの上に座らせた。
「お昼だね!よーし、今日はお姉さんが頑張るよ!!」
真由美を拓実の隣に座らせ、腕を捲りながらキッチンへ近付く。
その途端、霞の顔がサッと青ざめた。
「ホム美さん!いいッスよ、僕が作ります!」
「えー?だって、たっくん達来てるんだよ?そこまで、カスミくんに迷惑掛けるわけにはいけないよ」
「いや、大丈夫ッス!」