探偵事務所は休業中
焔美を押し退け、率先してキッチンへ行く。
「うーん、何か納得いかないけど……まぁ、いっか」
焔美は拓美と真由美の隣に座り、鼻歌を歌い始めた。
焔美の料理センスは壊滅的である。
下手すれば、電子レンジを爆発しかねない。
彼女は絶対にキッチンに立たせてはいけない人の一人である。
「ちっちゃい子……うーん……」
上着を脱ぎ、腕を捲った霞はキッチンで一人悩んでいた。
小さい子が食べれそうなもの、かつ冷蔵庫の有り合わせでできるもの。
「ここは無難にお粥しかないッスよねぇ……」
一人でぶつぶつ呟きながら、彼は調理に取り掛かった。