探偵事務所は休業中
「どうして……」
「どうしても何もないッスよ。寝てたらお皿割れる音したし、まさかと思ってきてみればこの事態」
「ごめんなさい……」
「僕に任せておけばいいんスよ。ホム美さんに任せると、色々と危ないし」
「……」
少し落ち込んでいる上に、まさかの失態。
泣きそうになるのをグッとこらえ、唇を噛む。
霞は近くのコンセントにプラグを差し、掃除機を動かした。
「怪我はないッスか?」
「え?あ、うん。大丈夫だよ!」
無理矢理笑顔を作り、手を後ろに回す。
そうでもしないと、泣いてしまいそうだったから。