探偵事務所は休業中

「分かってるくせに。ホム美さんには、ホム美さんなりに出来ることがあるでしょ？」

「でも、今まで全部失敗してきたよ？」

「そんなことないッスよ。現に、ホム美さん成功してるじゃないッスか」

「何が？」

これは本当に分からない。
不思議そうに首をかしげる焔美。
それを見た霞は小さく微笑んだ。

「僕の助手ッスよ。なんやかんや言って、ホム美さんの意見とか参考になってるし。それに、お菓子くれるし」

「カスミくん……」

「ホム美さんにだって、取り柄の一つや二つ、あるんです。そう卑屈にならないことッスよ」

「……」

「僕たちは、二人で一人前なんスよ。一緒に頑張りましょうよ」

軽い低音が、焔美の心に響く。
本当にこれでいいのか、分からない。