探偵事務所は休業中

「そう言えば拓実くん、ホム美さん宛に手紙書いてたんスよ?
心配しなくてもホム美さん、小さい子に好かれてますよ」

そう言って、霞はポケットから一枚の紙切れを取り出した。
拙い字で"おねえちゃんへ"と書かれている。

「凹んでないでとっとと来てください。ついでに手の傷も見てあげますから」

「……うん」

「あと、シリアスなホム美さんとか気持ち悪いッス」

「え」

「ほら、早くしてください。二人とも、起きちゃいましたよ」

掃除機を片付けると、流しに置いてある破片の入ったビニール袋を手に取ると、台所を出ていった。

「あ、待ってよう!」


お姉さんと一緒。
焦らず、ゆっくり進んでいけばいい。


【終わり】

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