探偵事務所は休業中

「で、アナタは誰ですか?」

霞はポッキーを食べながら、羽兎に向かって訊く。
彼女はハッとなり、慌てて自己紹介をした。

「ボーッとしてすみません!私、閑田羽兎って言います!」

「閑田羽兎さんねぇ……因みに年は?」

「19です」

「なるほど」

霞はヘッドホンを外し、羽兎をまじまじと見つめる。
真剣な目で見つめられた羽兎は一瞬たじろいだ。

「僕より年下ッスね」

「因みにいくつなんですか?」

「20歳ッスよ。お酒飲める年齢です」

リラックスモードになっているのか、霞の敬語が徐々に崩れてきている。

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