ラプソディ・イン・×××
電車の窓から外を眺める。


もう夕暮れだ。



結構長い時間、

スミレを待たせちまった。



悪かったな、って

想いを込めながら、

つないだスミレの手を撫でた。



息をつきながら頭を、

スミレの頭にもたれかける。



「甘えんぼだなぁ」


フフってスミレは笑った。


オレも、フって笑った。




スミレといると、気が休まる。


カッコつけてばっかいる必要が

なくて、

本気で息がつける。



抱いて寝たらよく眠れそうだ。





親父と、さしで話し込んだのは、

久しぶりだった。



親父には、

長時間ぶっ通しで

話続ける体力がないから、


どうでもいいような話をしたり、

ぼんやりしたり、

ちょっとは

真面目な話をはさんでみたり。


そんな風に、

何時間かを過ごした。



帰り際、

じゃあまた来るからって言ったら、

横になってた親父の頬のあたりが

嬉しそうだった。




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