ラプソディ・イン・×××
心配事でもあんのか、

ものうげな表情してる。



「あ、いや…」


どうやらオレの直感は、

図星だったようだ。




「えっ!!マジで?!

バラの花壇なくなんの?!」




話を聞いてみたら、

旧校舎の建て替えで、

当初は

残してもらえるはずだった花壇まで、

埋め立てることになったのだそうだ。




「で、バラどうなんの?」



「…」


無言の日岡を見て、

良い答えが返ってこないことだけは

わかった。



「じゃあさ、

埋め立てる前に

どっかに植え替えるってのは?」



オレは校内空いてそうな花壇を

頭ん中で探した。



けど、すぐに

無駄だって気づいた。


だって

今オレが思いつくようなことは、

すでに検討済み。



だからこそ、

この浮かない顔なんだろうから。



やっぱり、

日岡は難しい顔で

小さく首を横に振った。



オレは頭をかいた。


「マジか…」




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