ラプソディ・イン・×××
ジャズで渋い音を響かせる、
テナーサックス。
確かに豪快でパワフルで
引き込まれるような魅力がある。
ソプラノもアルトも
テナーもバリトンも、
どれもサックスで、カッコいい。
音質の差で
楽器の好みは別れる。
要はそれだけのこと
なんだけどな。
親父がサックスをやめたのは
18、9年前。
オレが生まれるちょっと前。
親父がちょうど
会社の社長に就任した頃だ。
何故やめてしまったのか。
ホールで一曲吹き終わったあと、
聞いてみた。
『何で両立してでも
サックス続けなかったんた?
仕事しながらでも、
活動続ける選択は
なかったわけ?』
世の中には、
サラリーマンしながら、
音楽活動を続けて、
定年後に
プロとして活躍している
演奏者だっている。
聞いたら、
親父は意味深な顔で薄笑いした。
『両立なんてのは、
腕も考え方も
器用な人間がすることだ。
俺にはとうてい無理だった。
けど、今となって思えば、
この俺に、
音楽だけで食ってけるだけの
才能があったかどうかは……』
テナーサックス。
確かに豪快でパワフルで
引き込まれるような魅力がある。
ソプラノもアルトも
テナーもバリトンも、
どれもサックスで、カッコいい。
音質の差で
楽器の好みは別れる。
要はそれだけのこと
なんだけどな。
親父がサックスをやめたのは
18、9年前。
オレが生まれるちょっと前。
親父がちょうど
会社の社長に就任した頃だ。
何故やめてしまったのか。
ホールで一曲吹き終わったあと、
聞いてみた。
『何で両立してでも
サックス続けなかったんた?
仕事しながらでも、
活動続ける選択は
なかったわけ?』
世の中には、
サラリーマンしながら、
音楽活動を続けて、
定年後に
プロとして活躍している
演奏者だっている。
聞いたら、
親父は意味深な顔で薄笑いした。
『両立なんてのは、
腕も考え方も
器用な人間がすることだ。
俺にはとうてい無理だった。
けど、今となって思えば、
この俺に、
音楽だけで食ってけるだけの
才能があったかどうかは……』