ラプソディ・イン・×××

親父の家からの帰り道。



オレは、

佐野椎南の元義父（育ての父）に

連絡をとった。



以前会ったとき、

一応連絡先の交換を

しておいたんだ。



連絡後、

佐野椎南の元義父の

最寄りの駅に出向いた。



駅前のコーヒー店で

アイスコーヒー飲みながら

待っていたら、

約束の時間に

仕事帰りの元義父がやってきた。



オレにはもう

どうすることが正しいことなのか

わからなかった。



親父の言う通り、

伝えないままにしておくべきか。


佐野椎南自身は、

自分の父親のことを

知りたいと思っているのか

どうか。


伝えるべきか、

伝えるならば

その手段はどうすべきか。



親父の、死にゆく覚悟を

目の当たりにして、

オレは本気で混乱していた。



「オレは

佐野椎南の人生に

関わっちゃいけない人間だ。

佐野椎南のことをよく知ってる

あんたにしか頼めない。

申し訳ないんだけど、

伝えるかどうかは

あんたが判断してくれるかな？」