ラプソディ・イン・×××
真新しいサックスケースとは

真逆。


中におさめられてたのは、

ヴィンテージの

めっちゃ良いサックスだった。



材質に、

銅を含む割合が多いために

赤っぽいゴールドに輝いている。


レッドブラスのテナーサックス。


思わず見惚れた。


値段は分かんないけど、

多分七桁は超えてる高級品だろう。


さすが老舗の

ジャズバーのマスターだけある。


良いサックス持ってやがる。



つーか、テナー初心者が、

試し吹きするにはもったいない。


「こんな良いやつ

借りれないっすよ…」


恐縮して

サックスに手を出せないでいたら、


「今貸せるのは

これしかなくてね」


と、マスターは、

ケースを閉じて、

オレに差し出した。



「まぁ、吹いてみて、

楽器に負けるようなら、

すぐに返してくれれば良いよ。

レンタル代は

サービスしとくからさ」


と渋くウインクした。




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